電動バイクはエンジンを必要としません。では、エンジンの代わりに何を使っているのかというとモーターで走っています。モーターは扇風機や冷却ファン、ハイブリッドカーなど様々な場面で使われている馴染み深いものです。
では、電動バイクのモーターはどうなっているのでしょうか。

電動バイクのモーター

車体に積んだバッテリーから電力が供給され、その電気でモーターが回転します。モーターの回転によって動力を得られるというわけです。電動バイクに使われるモーターの多くはインホイールモーターと呼ばれる方式が採用されています。ホイールの中にモーターがセットされているインホイールモーターは、伝達ロスが少なく、ボディのスペースを有効に使えるからです。また、密閉構造にすれば雨天でも安心して走れます。車体設計をコンパクトにできコスト面でも優れているため、多くのメーカーがインホイールモーターを採用しているのです。

ブラシのないモーターを採用

電動バイクにはインホイールモーターが採用されていると解説しましたが、さらに突っ込んだ話をすると電動バイクには交流のブラシレスモーターというモーターが使われています。
ブラシレスについても解説すると、ブラシとは電流の流れを切り替えてモーターを回転させます。しかし、ブラシとモーターの回転部が接触している状態のため、長く使っていると摩耗するというデメリットがあります。そこで、ブラシの代わりに電子回路を使って、電流の切り替えを行う仕組みが考えられました。それがブラシレスモーターです。ブラシレスモーターによってメンテナンスの必要がなくなりました。
電動バイクに搭載されているモーターは、センサーで回転状態を把握し、無駄なく回せるようになっています。

モーターの特性について

モーターの場合、起動時に最大トルクが発生するという特性があります。低速時はトルクが強く、高速になるとトルクが減少するという感じです。ガソリン車のエンジンとは逆の特性であることを知っておきましょう。
こうした特性のため、低回転域でも充分な後輪駆動力が得られます。

小型で出力の大きいモーターを採用していることにより、ガソリン車に負けない加速や最高速の達成が可能になりました。ホンダやヤマハも原付や原付二種に相当する電動バイクを発売していますが、大型バイクはありません。カワサキが開発中のようですので、国内メーカーから電動大型バイクが発売されるのはそう遠くはないでしょう。